木下音感楽院の教育理念

木下音感楽院では、年齢の低い幼児が楽しく音楽のルールを学び、歌唱力・音感能力を身につけることを目指しています。
木下式音感教育法には何段階にもわたる細やかな「指導法」と「教材」があり、聴覚・視覚等の感覚器に刺激を与え、発語をうながしながら、手の巧緻【こうち】性、感覚の統合、運動能力を高め、自己主張ある歌声と鮮明な言葉、聴覚の鋭敏さを育てます。
この訓練を受けるなかで、楽院では、有名私立幼稚園受験や私立小学校の受験でよい結果を出すお子さんを多く輩出してきました。
合格者の共通点は、木下式によって歌唱力や音感能力を確実に身につけたうえで、自制心・認知力・記憶力・集中力・体力・自己主張・協調性・意欲・思考力・解決力などもバランスよく身につけていることです。
感覚を鍛えたり、手先を器用にしたり、運動機能を高めることは、テストで百点満点をもらうのと異なり「正解・不正解」がわかりづらく大人は軽視しがちですが、自分の身体・手指・感覚を使って覚えたことのほうが記憶にとどまりやすく、確実な力となっています。
楽院を卒業した生徒は、幼児期に身につけた能力によって豊かな人生を歩んでいます。

楽器を習う前に歌唱力・音感能力・読譜力を育てたい!

楽器の勉強を7歳までにはじめると、子どもたちの成長発達をはじめ、精神面・行動面の成熟に貢献することがわかっています。
しかし、実際に楽器を習うと、目で音符を追いながら指を器用に動かし、書いてあるメロディーを耳で確認しながら奏【かな】で、心の動きを表現するのは、簡単なことではありません。
楽器を長く習うためには、それ以前に、絶対音感を身につけ、正しい声で歌えるようにすること、楽譜の読み書きができること、リズム感や和音感覚を備えることが不可欠です。
木下音感楽院では、音楽になじみのない幼児が楽しみながら絶対音感を確実に身につけられるように、「音感かるた」を使ったカリキュラムによって、音楽の総合教育をおこないます。それによって、プレゴールデンエイジの子どもたちの非認知能力を高め、将来、音楽を専門的に勉強するための土台も育てています。

入学できる年齢には制限があります!

絶対音感を習得するには、身体を使って覚えられる、右脳が活発に働く幼児期に開始することが不可欠であり、7歳までに訓練を完了する必要があります。そのため入学年齢は「4歳6か月まで」の制限を設けています。
しかし、それ以降でも相対的な音感能力をつけることは可能であり、語学を学ぶうえでもプレゴールデンエイジの聴覚訓練は意味があるため、強いご希望があれば入学年齢を超えたお子様もお預かりしています。
ともあれ、感覚教育は、早ければ早いほど効果があることは事実だと、心に留めておいてください。

しつけをたいせつにする理由

どんなにすぐれた教育プログラムがあっても、それを受ける子どもたちが、秩序を守れず、ほかの子に手をあげたり、奇声をあげたり、自分の好きなときに走りまわったり、自分を抑制できなければ、集団生活も学習もできません。
音楽にかぎらず、幼児期の教育でたいせつなのは、「あるべき姿」を知らせる「一貫性のある大人の姿勢」です。
木下音感楽院には、音感を学ぶ際のお約束があります。
★先生の目を見て集中する。
★手や足は、あるべき場所に行儀よくおく。
★やるべきときに、自分のすべきことをする。
です。
このことを楽院のそとでも自分でできるお子さんが、どこの集団でも、問題なく学ぶことができて、評価を受けています。

木下式音感教育法とは

木下式音感教育法は、創始者木下達也が「わが子に絶対音感をつけたい」と願って考案した教育法です。
クラリネット奏者であった木下達也は、指揮者・小澤征爾氏がブザンソン国際指揮者コンクールで優勝を果たし凱旋【がいせん】演奏会をした際のオーケストラのメンバーでした。 そのことからも、音楽活動をするには十分な能力を備えていたことがわかるはずです。しかし、木下が音楽と出合った時期が小学校高学年と遅かったため、「絶対音感」ではない能力によって活動していたことに後悔がありました。
木下が「絶対音感」の存在に気づいたのは、元読売日本交響楽団の主席オーボエ奏者である甥が、幼少期にオーケストラの音を聴いて「これはAアー(ラの音)だ」とか「少し低い、高い」などという姿を目にしたときでした。
「こんな幼い子どもに、こんな能力があるのか。これが絶対音感なのか……」と驚き、生まれてくる子どもにもこの能力をつけさせたいと誕生したのが「木下式音感教育法」です。
以来、55年にわたり、全国の幼稚・保育園・こども園などで、効果的な音楽教育として採用され、卒園生は5万名近くにのぼります。

令和4年現在、木下式は、全国で23の幼稚・保育園・こども園・スクール・認可教室で指導され、2000名以上の子どもたちが学んでいます。
音楽大学の付属園ではなく、一般の保育をおこなう幼稚園・保育園で、木下式という音感教育が採用されている理由は、幼児期の子どもたちに「歌うこと」「聴くこと」「リズム感を向上する」などの音楽の基礎が身につくだけでなく、就学時に求められる「聴く力」「学ぶ姿勢」「記憶力」「集中力」「忍耐力」などが備わるからです。
木下式は、幼児期の早期に身体や感覚機能を使いこなせるようにし、「言葉」「音感」「運動能力」を伸ばしながら、音楽の基礎である「歌唱力」「音感能力」「読譜力」「リズム感」「和音感覚」を習得できます。
この訓練は「音楽」の能力だけでなく、「言語力」「運動能力」も高めることから、木下式を採用した前と後では、知能テストの結果が大きく変化したという報告もあります。
なにより、木下式で幼児期に音楽の基礎能力を身につけておけば、年ごろになって「音楽の道に進みたい」と思ったときに、「絶対音感はもう身につかない」とあきらめずにすむでしょう。
その木下の理想を実現したのが、指揮者の山田和樹氏です。
山田氏は、幼稚園時代に登録幼稚園で木下式に出合い、その後、木下達也のもとで学んだ生徒のひとりです。
感覚も、運動機能も、幼児期の適時に伸びる環境を与えれば、将来自分で「これがやりたい」と思ったときに、それがなんの分野であっても精いっぱいできる可能性が広がる――。
これが木下式の根幹にある、子どもの成長を願う親の気持ちです。
木下式は、登録幼稚園・保育園・こども園の教諭や保育士の先生たちが、子どもたちに教えています。音楽の専門家ではなく、なじみある担任が、指導法を学びながら、日常の保育のなかでクラス全員に音感教育を教える――。このことは、指導者にも大切な学びとなっています。
「できないことを子どものせいにするのではなく、できるようにすることこそ指導者の喜び」とする創始者の教育理念のもと、指導者が情熱をもって、子どもたちと向き合っています。

講師紹介

木下 達也 /楽院長 木下式音感教育法の創始者

愛知県の旧家に生まれ、小堀遠州が作庭した広い敷地で、樹木と自然に親しむ幼少期を送る。
当時貴重だった蓄音機のある家庭で、クラシックの名曲を聴く機会は多かったが、本格的に音楽を習いはじめたのは、中学生になってから。このとき、ほかの人にはない音楽能力を認められ音楽の道に進んだが、のちに音楽との出合いが遅かったと気づき、「生まれてくるわが子に絶対音感を身につけさせたい」との夢を持つ。
音楽に対する情熱は年老いても変わらず、その厳しさはときに理不尽にも見えるが、そうした姿勢が55年以上、木下式音感教育法を守りつづけてきた。現在も成果報告会等の前には、子どもたちに歌唱指導をおこなっている。

木下 まゆみ /副楽院長

作曲家の平尾貴四男、ピアニストの平尾妙子の三女として、東京に生まれる。六人きょうだいのほとんどが音楽を専門的に学び、絶対音感を持ち、モーツァルトのような家と言われることもあったが、第二次世界大戦が激化した際、女性や子どもは小豆島【しょうどしま】での疎開生活を体験した。
弟妹がいたため、幼い子どもにものを教えることが得意で、若いころは音楽教室や私立学校でフルートを教えたりしていた。しかし、一般のお母さんと変わらず、自分の子どもは思いどおりにならず、子育てに苦労した。その経験をいかして、今なお年齢の低い子どもたちにピアノを教えている。

木下 麻奈 /木下式音感教育法認定講師 株式会社楽院出版代表取締役

「わが子に絶対音感を身につけさせたい」と願った父と、父の仕事を100%後押しする母のもとに生まれる。3歳からピアノを学び、新しい音楽教育を模索する父と、音楽教育にたずさわる大勢の先生たち、教室に通う保護者や子どもたち関わることで、知らず知らずのうちに人間観察に長【た】けた。
生来の内気な性格により、父の強い意志で「絶対音感」を身につけても、演奏家タイプではないと幼いころに気づき、音楽以外の世界に興味を持って子ども時代を過ごした。
自身の性格を変えたのは、高校卒業後にアメリカに渡ってから。自分にしっかりとした考えを持たないと一人前扱いされないアメリカで、筆談でしか他者と関われない自分に愕然【がくぜん】として一念発起【ほっき】。幼児期からの聴覚訓練(音感教育)と従来のおしゃべり好きが功を奏して、あっという間に英語でもおしゃべり好きになる。
4年半、異国で他民族の方々と関わり、異文化交流を楽しめる性格から、さまざまな背景や事情を持った子どもたちとの関わりを楽しんで指導できる。2020年、発達障害児支援士の資格を取得。

杉山 純子 /木下式音感教育法認定講師

青森県で教員の両親のもとに生まれる。昭和音楽短期大学ピアノ科卒業。中学校教諭二種免許を取得。大学時代に「音感」という能力に興味を持ち「木下式音感教育法」を知る。昭和57年より創始者が指導した上級講座を受講し、60年木下式音感教育法認定講師となる。以来、木下音感楽院に勤続。幼児、児童の音楽教育をはじめ、楽院の諸行事にたずさわり、すべての行事のコツをだれよりも知る存在として、みなに頼りにされている。
「淡江社」書法研究所・会員、平成21年雅号を取得。楽院の託児ルームや合宿では、書道、工作、生活など多方面にわたる指導をおこなう。現在、千葉県一宮市にて自身の音感認可教室・書道教室も開講中。 

安藤 瑠音 /木下式音感教育法認定講師

木下達也・まゆみの次女として誕生。当時、自宅で楽院が開講されていたため、常に木下式のレッスンの様子を聴く環境に育ち、言葉を話す以前に、ドレミを判別する絶対音感を得る。幼児期には多くのメディアに出演し、「絶対音感を持つ子ども」として木下式の名前を世に知らしめた。
創始者の「幅広く音楽を学ぶためには、子ども時代にプロの手を借りた本物のオペラを実現したい」という理念のもと、楽院は定期的にオペラ公演をおこなっていたが、小学5年生のときに主役を担当。その際、専門家よりダンスを学び、現在もお遊戯の振付等を担当する。
二児の母として、中学・高校・大学受験を乗り越え、公教育で身につけるべき課題も学び、楽院の児童たちの基礎能力を高めている。

山﨑 早登美 /ピアニスト

最初に楽院の門を叩いたのは、東京芸術大学に通う大学生のころ。「これを弾いて、次はこの曲……」とそれまで弾いたことのないジャンルの作品を演奏して以来、音楽祭のオーケストラの一員としてピアノを担当したり、合唱団の伴奏、ピアノ指導を30年近くお手伝いしてきた。
「あなたのようなピアニストは、演奏家として活動の場を広げてほしい」との創始者の言葉によって、演奏活動も大切にしながら、楽院の子どもたちとの関わりにも、力を注いでいる。

■東京藝術大学附属高等学校、同大学を経て、同大学大学院修了。第41回全日本学生音楽コンクール東京大会第2位。第67回日本音楽コンクール入選。第9回宝塚ベガ音楽コンクール第3位。第9回および第14・17回日本演奏家コンクールにて伴奏者賞を受賞。現在、東京音楽大学弦楽科非常勤講師(伴奏• 室内楽)および東京藝術大学非常勤講師(伴奏助手)。


遠藤 綾乃

3歳より8年間、木下音感楽院に通い、音感、ピアノ、合唱を学ぶ。上智大学経済学部経営学科卒業、大手総合商社の経理部に10年以上勤務。2級ファイナンシャル・プランニング技能士・日商簿記検定試験2級・税理士試験科目合格等の資格を持つ。
自分と同じ教育をわが子にも受けさせたいと、3カ月になった長女を連れて母子クラスに通いはじめる。長女が2歳のとき育児休暇から復職を試みるも、わが子は自分の手元で育てるために、木下音感楽院に勤め、経理、調理を担当することになった。6歳違いのふたりの娘たちとともに、楽院の子どもたちの成長に日々関わっている。

六郷 栄夏

3歳より10年間、木下音感楽院にて音楽を学ぶ。大学在学中、幼少期からの音感教育の有り難さ(音感の良さ)を幾度となく感じ、我が子にも音感教育を受けさせたいと願い、長野県松本市より娘を通わせている。7つ下の息子も0歳よりベビークラスに通い始め、姉の背中を追っている。
そんな自らも幼少より学んだ場で、現在ピアノ指導に携わりながら、子どもたちの成長の一旦を担っている。
武蔵野音楽大学器楽科卒業。私立高等学校、高等教育専門学校勤務を経て自宅教室主宰。ムジカベベ0才からの音楽会松本代表。赤ちゃんから聴ける体験型の音楽会の普及に努めている。

学費案内

準備クラス

*下記の注釈を合わせてご覧ください。

音感クラス

*入学金、及び授業料には消費税10%が入っております。
*授業は原則として週1回となります。補講をご希望の際は、別途料金がかかります。
*父母年会費は「天使のこえ合唱団を育てる会」よりお手紙を差し上げますので納入下さい。
①ご紹介者がある場合、入学金は半額となります。
②授業はベビークラス(月1回)以外、週1回レッスンが基本です。祝日のレッスンはございません。欠席されてもお月謝はお返しできませんが、欠席の際には事前に、お申し出をいただければ振替授業を行うことができます。
③教育保証金20,000円は、入学時にお預かりするもので幼児部基礎課程を修了される際、全額返還されます。但し、中途退学の場合には返金できません。尚、児童部に進級を希望される方は進級料となります。
④教材費はお子様の使用分が次月に連絡表で通知され、郵便口座より引落しとなります。
⑤安全管理費として1名につき月額1,300円が授業料と共に引落しとなります。
⑥授業料は年間12回に分けて納めていただきますので、夏休み期間中やご都合で1ヶ月間休学される場合にもご納入ください。
⑦授業料は毎月27日、ゆうちょ銀行の口座から自動引き落としができますので、口座番号をご登録ください。

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