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絶対音感の恩恵
山田 和樹
プロフィール
幼少の頃より木下式音感教育法を受ける。
東京藝術大学音楽学部指揮科卒業
くらしき作陽大学非常勤講師
瀬戸フィルハーモニー交響楽団ミュージックアドヴァイザー
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指揮者になって多々木下式音感教育法の恩恵を感じる場面があるのだが、中でも現代音楽の初演を指揮する時は特別だ。初演であるから参考になる音源は当然ないわけで、楽譜だけが頼りになる。この譜面を読んでいく際に、音符に色を付けることがよくある。そう、カラー五線紙・音感かるたの色である。譜面が見やすくなるし、何よりも色を見ればすぐに音が浮かんでくる。どんなに難解な曲でも読みこなせる自信がある。もっともこんなことをしている指揮者は多分世界中で僕一人だろう。
オーケストラの練習では絶対音感がものをいう。演奏者も初めての曲であればやはり間違えることもある。指揮者はそれを即座に指摘して音楽的に高めていかなければならない。現代音楽では調性がない曲も多いから、絶対音感がなかったらどんなに大変なことかと思う。
木下先生がおっしゃる「将来音楽家を志した時に手遅れにならないように」というケースはまさに僕が当てはまる。もしも木下式音感教育法がなかったら僕は指揮者になっていないだろう。 |
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感覚的な音のとらえー絶対音感
辻 功
プロフィール
読売日本交響楽団首席オーボエ奏者
洗足学園音楽大学客員准教授
フェリス女学院大学講師
エリザベト音楽大学講師
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絶対音感というのは、感覚的には人が色を感じる力と同じように考えられています。光の波長の違いを色として感じるように、空気の振動の増減を明確に感じ取り、音名として感じられる能力のことを絶対音感といいます。人は光の波長の違いを濃淡でとらえるのではなく、赤とか青といった、まるで違った色としてとらえます。同様に、絶対音感では音波の増減を、まったく違った色彩を持つ音として感じるのです。
絶対音感がなくてもすばらしい音楽家は存在します。しかし、絶対音感がないために演奏会をぶちこわしてしまうことがあります。
私が数年前に、一緒にコンサートに出演したウィーンフィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者は、素晴らしい音楽家でしたが、絶対音感がない方でした。暑い日本の夏のコンサートでしたが、楽器の温度が上がるにつれ、彼の音程がどんどん高くなっていってしまったのです。彼は絶対音感がないために、そのことに気づいていませんでしたが、運の悪いことに曲の途中からハープが加わりました。ハープはピアノと同じように、演奏会が始まる前にチューニングをすると、演奏会が終わるまで同じ音程なのです。彼はハープが出てきたときに何が起こったのかわからずにパニックになってしまいました。このようなことは音を色彩で感じる絶対音感があるものにとっては、考えられないことなのです。 *管楽器は温度と湿度によってピッチ(音の高さ)が変わります。 。 |
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